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ICカードの印刷方法
再注目のICカードと印刷方法
近年、多くの企業がハッキングや情報漏洩などの深刻なサイバー脅威にさらされています。
その一方で、指紋・静脈認証、顔認証といった生体認証やIDカードを用いた多要素認証技術が急速に進化し、こうした攻撃への防御策として広く導入されつつあります。
情報資産を守ることは、企業の信頼性を担保するだけでなく、法的・コンプライアンス面でも極めて重要となっています。
このような時代背景から、ICカードへの注目度がアップしています。
ICカードとは、内部に集積回路(IC)を搭載し、情報の記録や演算処理を可能にしたカード型媒体です。
カードにはRAMやROMなどの半導体メモリが内蔵され、従来の磁気カードと比べて数十倍〜数千倍の情報量を保持可能です。
さらに、CPUや暗号コプロセッサを搭載することで、カード内での処理や暗号化が可能となり、偽造や改ざんへの耐性も高まります。
代表例として知られる交通系ICカード Suicaでは、ペンギンのロゴや定期区間、有効期限などが視認性よく印字されています。
こうしたカードの印刷技術は、社員証・学生証・会員証・入退室管理など、さまざまな分野で活用されています。
■ ダイレクト印字とは
カードにインクを直接印刷する方式で、工程が少なくランニングコストを抑えられます。写真・氏名・所属・バーコードなどを瞬時に出力でき、コストを抑えたスピード対応に適していて、社員証や来訪者カードのような少量・多品種のカードでも柔軟に対応できます。
表面の凹凸やカード素材によっては正常に印刷できない場合もありますが、シールカードへ先に印刷してカードへ貼り付けることで対応することが可能です。
カーデックスのカードプリンタ・Primacy 2(プライマシー2)はダイレクト印字方式を採用し、片面280枚/時・両面170枚/時という高い印刷性能と、600dpiの高解像度印刷を両立しています。顔写真や微細な文字も鮮明に再現できるため視認性と信頼性を兼ね備えたカードが作成可能です。
■ 再転写印字とは
再転写印字は、まず透明フィルムに内容を印刷し、そのフィルムをカード表面に熱圧着する方式です。直接印字と異なり、印字対象に物理的接触がないため、ICチップ部などの凹凸にも強く、美しい仕上がりが得られます。
フチなし全面印刷や高発色によるブランディング対応にも優れ、カード表面の均一性を求める現場では特に重宝されます。印刷対象の素材も、PVC(ポリ塩化ビニール)のほか、環境配慮型素材(PET-G・ポリカーボネート等)にも対応可能です。
カーデックスのカードプリンタ Agilia(アジリア)は再転写方式を採用したモデルです。
偽造防止のためのラミネーション機能やセキュリティ印刷機能との連携も可能で公的証明書・自治体カード・入退室カードなど、高度なセキュリティを必要とする現場に対応できます。
■ カードプリンタでICカードを内製化するメリット
・即時印刷による緊急対応力
カードの再発行や当日発行も内製で対応でき、運用の柔軟性が格段に向上します。
・偽造防止と視認性の強化
高解像度印刷とラミネート対応により、顔写真やロゴが鮮明に再現され、視認性とセキュリティの両面で優位です。
・運用コストの最適化
外部委託による発行コストや納期遅延を削減でき、組織全体の運用効率向上につながります。
・素材・ニーズへの柔軟対応
再転写方式により、エコ素材や凹凸のあるカードにも高品質な印刷が可能です。
ICカードはセキュリティ強化・認証精度の向上・運用効率の改善を同時に実現できる重要なツールです。
「ダイレクト印字」と「再転写印字」を使い分けることでICカードのセキュリティ機能が向上し、かつ、即時発行や運用コストの削減が実現できます。
カーデックスでは、Agilia(再転写印字)やPrimacy 2(ダイレクト印字)をはじめとする信頼性の高いカードプリンタを取り揃えています。
印刷方式の違いや導入事例など、用途に応じたご提案も可能です。お気軽にご相談ください。